iPhone向けにiOS18.1.1アップデートがリリースされました。iOS18.1.1では、すべてのユーザーに推奨される重要なセキュリティ修正が行われており、バグ修正の有無などは明らかにされていません。
目次
iOS18.1.1アップデート内容の詳細と変更点
2024年11月20日にリリースされたiOS18.1.1アップデートでは、IntelベースのMacシステムで積極的に悪用されている可能性があるとの報告がある、2件のセキュリティ問題が修正されています。
なお、今回のアップデートのリリースノートにはバグ修正の記載が無く、iOS18.1までに報告されている不具合の修正有無や詳細は明らかにされていません。もし特筆すべき修正事項が見つかった場合は随時追記します。
iOS 18.1.1
310.4MBこのアップデートには重要なセキュリティ修正が含まれ、すべてのユーザに推奨されます。
Appleソフトウェアアップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/ja-jp/100100
iOS18.1.1のセキュリティアップデート内容について
iOS18.1.1で行われたセキュリティアップデートの詳細は、Appleサポート記事「About the security content of iOS 18.1.1 and iPadOS 18.1.1」で公開されています。
同記事によると、悪意を持って作成されたWebコンテンツを処理すると任意のコードが実行される可能性、及びクロスサイトスクリプティング攻撃を受ける可能性の2つが対処されたようです。
対象機種は、iPhoneXS 以降、iPad Pro 13インチ、iPad Pro 12.9インチ 第3世代以降、iPad Pro 11インチ 第1世代以降、iPad Air 第3世代以降、iPad 第7世代以降、iPad mini 第5世代以降となっています。
JavaScriptCore
Available for: iPhone XS and later, iPad Pro 13-inch, iPad Pro 12.9-inch 3rd generation and later, iPad Pro 11-inch 1st generation and later, iPad Air 3rd generation and later, iPad 7th generation and later, and iPad mini 5th generation and later
Impact: Processing maliciously crafted web content may lead to arbitrary code execution. Apple is aware of a report that this issue may have been actively exploited on Intel-based Mac systems.
Description: The issue was addressed with improved checks.
CVE-2024-44308: Clément Lecigne and Benoît Sevens of Google’s Threat Analysis Group
(訳) JavaScriptCore
対象機種:iPhone XS以降、iPad Pro 13インチ、iPad Pro 12.9インチ(第3世代以降)、iPad Pro 11インチ(第1世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、iPad(第7世代以降)、およびiPad mini(第5世代以降)
影響:悪意を持って作成されたウェブコンテンツを処理すると、任意のコードが実行される可能性があります。この問題がIntelベースのMacシステムで積極的に悪用されている可能性があるとの報告がAppleに寄せられています。
CVE-2024-44308: Google’s Threat Analysis Group の Clément Lecigne 氏および Benoît Sevens 氏
WebKit
Available for: iPhone XS and later, iPad Pro 13-inch, iPad Pro 12.9-inch 3rd generation and later, iPad Pro 11-inch 1st generation and later, iPad Air 3rd generation and later, iPad 7th generation and later, and iPad mini 5th generation and later
Impact: Processing maliciously crafted web content may lead to a cross site scripting attack. Apple is aware of a report that this issue may have been actively exploited on Intel-based Mac systems.
Description: A cookie management issue was addressed with improved state management.
CVE-2024-44309: Clément Lecigne and Benoît Sevens of Google’s Threat Analysis Group
(訳) WebKit
対象機種:iPhone XS以降、iPad Pro 13インチ、iPad Pro 12.9インチ(第3世代以降)、iPad Pro 11インチ(第1世代以降)、iPad Air(第3世代以降)、iPad(第7世代以降)、およびiPad mini(第5世代以降)
影響:悪意を持って作成されたウェブコンテンツを処理すると、クロスサイトスクリプティング攻撃が発生する可能性があります。この問題がIntelベースのMacシステムで積極的に悪用されている可能性があるとの報告がAppleに寄せられています。
説明:Cookie管理の問題が、改善された状態管理によって対処されました。
CVE-2024-44309: Google’s Threat Analysis Group の Clément Lecigne 氏および Benoît Sevens 氏
iOS18.1.1アップデートの評判について
記事公開時点では、SNS上でiOS18.1.1アップデートで重大な問題(リンゴループ、圏外など)を報告する投稿は見受けられませんでした。また、筆者の端末もiOS18.1.1アップデートを完了していますが、特筆を要する問題は発生していません。
なお前回のアップデートでは、Microsoft Storeで配信されているiTunesがアップデート中に落ちる問題が報告されているため、iPhoneの設定アプリ(設定→一般→ソフトウェアアップデート)からアップデートを実行しました。
iOS18.1.1に限ったことではありませんが、iOSアップデート中にiTunesがクラッシュしたり、デバイスがリカバリーモードに切り替わる問題が発生する場合があるため、iOSアップデートを実行する際は必ずバックアップを作成することをおすすめします。
iOS18.1.1までに発生・確認された不具合の情報
iOS18.1.1アップデートで不具合が発生した場合は、コメント欄にて詳細を共有して頂けると幸いです。なお、コメントは全て確認していますが、不適切な言葉などを含むコメントは非承認、訂正する場合があります。
※ 以下の表は前回のアップデートまでに報告されている不具合の一覧です。コミュニティやコメント欄で"複数のユーザー"から報告されている問題を記載しています。
問題 | 対処 |
---|---|
画面が暗転して「読み込み中」になり、ロック画面に遷移する(クラッシュ) | マルチタスク画面、Appスイッチャでバックグラウンドアプリを終了する |
一部アプリでApple Lightning Digital AVアダプタによるHDMI出力ができない | アプリやアダプタ、iOSアップデートによる改善を待つ |
VPNが繋がらない | ・iPhoneの再起動 ・VPNのスイッチをオンオフする ・VPNアプリを最新バージョンにアップデートする |
文字を入力して変換すると入力した文字が消える | iPhoneの再起動 |
ゴミ箱のメールが期日を迎えても削除されない | ・iPhoneの再起動 ・メールアカウントの削除と再追加(POPは受信メールが消えるので注意) |
一部受信メールが文字化けする | ・iPhoneの再起動 ・可能であればWebメールの代用 |
位置情報をオンにしているにも関わらず、Siriで電話を発信すると位置情報をオンにするよう言われる | iPhoneの再起動 |
Siriで連絡先を指定して電話を発信すると、誤った相手に発信する | 連絡先アプリで適当な連絡先を更新する(名前を変更して元に戻すなど) |
予測変換の精度が低下した | ・小さい「つ」を含む文を変換した際、変換候補の文字に「t」が挟まる場合は、入力中の文字を消して再入力する ・iOSアップデートで変換精度の向上を待つ |
ファイルアプリで.mp3などの音声ファイルを再生すると問題が生じる | ファイルアプリの不具合と見られますが、現時点では解決策が不明。拡張子に対応したサードパーティーアプリを代用。 |
電源オフ中にスクリーンタイムが加算される | 電源オフ前にマルチタスク(Appスイッチャー)でアプリを完全に終了する |
カメラアプリが落ちる、真っ黒になる | iPhoneの再起動 |
アクセスガイドの起動や終了が遅い | 代替としてコントロールセンターから起動する |
アクセスガイド中に背面タップ、スクショできない | 対策無し |
Safariが真っ黒になる | Safariを再起動する |
Amazonなど一部アプリで濁点、半濁点、小文字が入力できない | ・アプリの再インストール ・ワイヤレスデバイスの登録解除 |
Face IDが使えなくなった | ・iPhoneの強制再起動 ・スクリーンタイム(コンテンツとプライバシーの制限)のオフ ・設定のFace IDとパスコードで「Face IDとプライバシーについて」を開き下までスクロールする |
コントロールセンターでウォッチを呼び出すが押せない | ・iPhoneの再起動 ・コントロールセンターからウォッチを呼び出すを削除、再度追加する |
Apple Musicが落ちる、フリーズする | ・iPhoneの再起動 ・ミュージックアプリの再起動 ・ミュージック(Apple Music)の再インストール ・すべての設定をリセット |
ステッカーが作れない | ・iPhoneの初期化後、バックアップを復元 ・設定→一般→キーボード→ステッカーのオンオフ |
AirPods Proのノイズコントロールでオフが消える | ・設定→自分の名前 AirPods Pro→リスニングモードをオフをオンにする |
コントロールセンターで音量や明るさが反応しない | ・デバイスの再起動 ・設定→コントロールセンター→コントロールセンターをリセットを試す |
iOSアップデート中にiTunesが落ちる | ・Apple公式サイトで配布されているWindows用iTunesを試す(Microsoft Store版を使わない) ・別のPCにインストールしているiTunes、MacのFinderでデバイスを復元する |
新しいiCloud利用規約の同意後にメモやフリーボードが消える | ・時間をあけてからメモやフリーボードを再確認する ・設定→自分の名前→iCloud→メモ→このiPhoneを同期をオンオフする |
新しいiCloud利用規約で「続ける」をタップしても進まない | ・時間をあけてから再度試す ・デバイスの再起動 ・Wi-Fiオンオフ ・iOSを最新バージョンにアップデートする |
iOS18.1.1でバッテリーの減りが早い・消費が早い場合
iOS18.1.1アップデート後、最大48時間程度はバッテリーの減りが早くなったり、アップデート以前よりもデバイスが熱を帯びる可能性があります。
実際、筆者の端末でもiOS17からiOS18にアップデートした際、特にバッテリーが消耗が激しくなりました。もしiOS17.XからiOS18.1.1にアップデートする場合など、iOSのバージョンが大きくアップデートされる場合は症状が顕著にでる懸念があります。
もし数日経過してもバッテリーの減りが早い場合は、今後のアップデートでバッテリーパフォーマンスが改善されるのを待つか、以下の設定や使い方を見直すようにしてください。
記載している全ての設定の変更を推奨するものでは無いので、ご自身の使い方と照らし合わせて、支障がない設定のみ試すようにしてください。
バッテリーの減りを抑える設定と使い方
- Wi-Fiを使用しない場合はオフにする(設定→Wi-Fi)
- Bluetoothを使用しない場合はオフにする(設定→Bluetooth)
- インターネット共有(テザリング)を使用しない場合はオフにする(設定→モバイル通信→インターネット共有)
- モバイル通信が繋がらない、圏外になる環境では機内モードをオンにする
- アプリの位置情報を必要最低限のみ許可する(設定→プライバシーとセキュリティ→位置情報サービス)※ 位置情報を常時必要とするアプリ、ナビや緊急速報等はオフにしないでください。
- iPhoneの自動ロック(設定→画面表示と明るさ→自動ロック)を短くする
- 画面の明るさを自動にする(設定→アクセシビリティ→画面表示とテキストサイズ→明るさの自動調節)
- 不要なアプリのバックグラウンド更新をオフにする(設定→一般→アプリのバックグラウンド更新)
- インストール済みアプリを最新バージョンにアップデートする
- ホーム画面やロック画面に配置するウィジェットを最低限まで減らす
- マルチタスク画面(Appスイッチャー)でアプリを頻繁に終了しない
- 外観モードをダークに変更する(設定→画面表示と明るさ→ダーク)
※ バッテリーの最大容量(設定→バッテリー→バッテリーの状態と充電)を確認し、バッテリーの最大容量が80%未満になっている場合はバッテリー交換を検討してください。
※ Wi-Fiのオフ、Bluetoothのオフによるバッテリー節約効果は少ないです。快適性を重視するのであればオンのままにすることをお勧めします。
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