iOS9以上のiPhoneやiPadでは、iTunesに「購入した項目を転送」しても、購入したアプリをiTunesやフォルダ上で直接確認することが出来ない仕様に変更されたようです。
読者の方から「最新のiTunesで購入した項目の転送はできていますか?」と質問を頂いたので、iPhone 6 Plus(iOS9.1)とiTunes12.3.1で購入した項目の転送を試したところ、転送されるべきアプリがiTunesやフォルダ上で確認することが出来なかったので、調査してみると転送に関する仕様が変更されていることが判明しました。
@secretbase_app
スミマセン、iPhoneから購入した項目を転送は、最新のiTunesでは、出来ていますでしょうか⁈
宜しくお願い致します。
— TakashiSamuraiJepang (@ab_nurhasan) 2015, 10月 22
目次
不具合だと勘違いしてしまう仕様変更
今回の問題を確認する為に、まずYahoo(バージョン4.3.3)を含む複数のアプリをアップデートして、iTunesに転送を試みることにしました。
従来であれば、iTunesに転送済みのアプリが最新のバージョンに書き換わるはずです。
iTunesの「ファイル」→「デバイス」→「購入した項目をXXから転送」の順にクリックして、アプリの転送を開始。
ステータスに「購入した項目を転送中」と表示されるものの、物凄い速さで終了します。
以前であれば「コピー中(5/10)Yahoo!Japan」と表示され、転送にもある程度時間が掛かっていました。
転送完了後にiTunesでアプリのバージョン情報を確認しても、最新のアプリに書き換わっていません。
アプリが転送されるフォルダを直接確認すると、9月16日以降何も更新されていないことが判明。
※この時点でiOS9にアップデートしてから、アプリが転送されていないことに気がつく。
Appleのサポートに問い合わせました
Twitterでも同様の症状を訴えているユーザーが多数見受けられたので、iOS9かiTunes側の問題だろうと思い、Appleのサポートに問い合わせてみたところ、次のような回答を得ることが出来ました。
iOS9以降では”購入した項目を転送”を行ったとしても、転送されたアプリをiTunesやフォルダ上から直接確認することは出来ない仕様になりました。
“購入した項目を転送する機能”そのものが撤廃された訳ではありません。
こうなってくると、そもそも「購入した項目を転送する意味が無いのでは?」と思いますよね。
その辺りを更に聞いてみると..
転送したアプリのファイルを直接確認することは出来なくなりましたが、アプリに関するデータは転送されているので、バックアップ時にはこれまで通り購入した項目を転送してください。
とのことでした。
このことから、恐らくiOSアプリケーションファイル(ipa)を丸々転送する仕様から、iOSやiTunesが必要とする最低限のデータのみ転送する仕様に変更したものだと思われます。
転送仕様の変更の意図は?
あくまで一個人の考えに過ぎませんが、デバイスによってアプリのファイルサイズを最適化する新機能「App Thinning」による影響では無いかと考えています。
App Thinningって何?
これまでiPhone 6とiPhone 6 Plusに最適化された「A」というアプリをiPhone 6にインストールすると、iPhone 6では必要のないiPhone 6 Plus向けのファイルまでダウンロードされる仕様となっていました。
この問題を解消できるのがApp Thinningで、アプリをインストールするデバイス合わせてサイズが最適化され、ストレージ容量の消費を抑えることが出来るようになるといった機能です。
App Thinningがなぜ今回の関係あるの?
なぜ「App Thinning」が今回の仕様変更と関係があるのかと言うと、仮に従来のiOSアプリケーションファイル(ipa)を丸々転送する仕様のまま、App Thinningに移行すると次のような問題が考えられます。
- iPhone 6で購入したアプリを転送 → iTunesにはiPhone 6に最適化されたiOSアプリケーションファイル(ipa)が残る。
- iPhone 7(仮称)に機種変更しiTunesからアプリを転送 → iPhone 7(仮称)にはiPhone 6に最適化されたiOSアプリケーションファイル(ipa)がインストールされてしまう。
仮にこのようになってしまうと、画面サイズによる不具合が起きる可能性などが考えられます。
そんな事情もあり、恐らく今回の転送仕様の変更を行ったのかな?と思います。
あくまでこれらは一個人の考えに過ぎないので、的はずれな内容だったらごめんなさい。
iOSアプリケーションファイル(ipa)をiTunesに残す方法
iTunesでアプリをダウンロードすることで、これまで通りiOSアプリケーションファイル(ipa)をiTunes(PC)に残すことが可能です。
方法1.購入履歴
App Storeの「購入済み」をクリック。
iTunesにダウンロードしたいアプリの「雲ボタン」をクリック。
iTunes(PC)にアプリケーションファイルが保存されます。
方法2.検索を使う
App StoreでPCに保存したいアプリを検索し「入手」をクリック。
この方法でも、iTunes(PC)にアプリケーションファイルが保存されます。
何はともあれ、今後も「購入した項目を転送」をするようにしましょう。
2015/12/23 追記
手動ダウンロードが面倒なのであれば、次の記事で解説している自動ダウンロード機能が便利です。
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