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【iOS16.5.1(c)】アップデート内容と変更点の詳細、不具合や評判について

iPhone向けにiOSセキュリティ対応、iOS16.5.1(c)アップデートがリリースされました。先日取り下げられたiOS16.5.1(a)の改良版となっており、一部ウェブサイトが正しく表示されない問題が修正されています。

iOS16.5.1(c)アップデート内容の詳細と変更点

iOS16.5.1(c)は、重要なセキュリティの改善を目的としたアップデートとなっており、新機能の追加や既存機能の改修などは行われていません。

具体的なセキュリティアップデート内容は、Apple公式サイトのヘルプ記事「About the security content of Rapid Security Responses for iOS 16.5.1 and iPadOS 16.5.1」で公開されています。

iOSセキュリティ対応 iOS16.5.1 (c)

この緊急セキュリティ対応には重要なセキュリティ修正が含まれ、すべてのユーザーに推奨されます。

詳しくは次をご覧ください:

https://support/apple/com/HT201224

iOS16.5.1(c)セキュリティ対応の詳細について

iOS16.5.1(c)では、ブラウザなどに搭載されているHTMLレンダリングエンジン「WebKit」で、ウェブコンテンツを処理すると任意のコードが実行される可能性が対処されています。

この問題は「積極的に悪用されている可能性がある」との報告があるようなので、理由がない限りはiOS16.5.1(c)のアップデートを適用することをお勧めします。

WebKit

対象 OS:iOS 16.5.1 および iPadOS 16.5.1

影響:Web コンテンツを処理すると、任意のコードを実行される可能性がある。Apple では、この脆弱性が悪用された可能性があるという報告について把握しています。

説明:チェックを強化することで、この問題に対処しました。

CVE-2023-37450:匿名の研究者

引用:iOS 16.5.1 および iPadOS 16.5.1 の緊急セキュリティ対応のセキュリティコンテンツについて

一部のウェブサイトが正しく表示されない問題が修正

先日リリースされたiOS16.5.1(a)では、FacebookやInstagramなどの一部ウェブサイトが正しく表示されない問題が発生したため、アップデートが取り下げられていました。

Appleは、この問題をiOS16.5.1(c)で対処しており、現在iOS16.5.1(a)を使用している場合は、iOS16.5.1(c)にアップデートすることで、問題が生じていたウェブサイトが正常に表示されるようになります。

ユーザーエージェントのバージョン表記から(a)が消えた

iOS16.5.1(c)アップデート後に、ブラウザのユーザーエージェントを確認したところ、一部のウェブサイトが正しく表示されない原因と指摘されていたバージョン表記から「(a)」が消え、以前と同じフォーマットに戻されていることを確認しました。

iOS16.5.1のユーザーエージェント

Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 16_5_1 like Mac OS X) AppleWebKit/605.1.15 (KHTML, like Gecko) Version/16.5.1 Mobile/15E148 Safari/604.1

iOS16.5.1(a)のユーザーエージェント ※問題が発生したバージョン

Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 16_5_1 like Mac OS X) AppleWebKit/605.1.15 (KHTML, like Gecko) Version/16.5.2 (a) Mobile/15E148 Safari/604.1

iOS16.5.1(c)のユーザーエージェント

Mozilla/5.0 (iPhone; CPU iPhone OS 16_5_1 like Mac OS X) AppleWebKit/605.1.15 (KHTML, like Gecko) Version/16.5.2 Mobile/15E148 Safari/604.1

iOS16.5.1(c)はRapid Security Responseで自動アップデート

iOS16.5.1(a)は、iOS16以降に追加された新しい自動アップデート機能、「Rapid Security Response」により、配信されています。

そのため、iPhoneの設定一般ソフトウェアアップデート自動アップデートセキュリティ対応をシステムファイルがオンになっている場合は、自動的にアップデートがインストールされます。

“緊急セキュリティ対応”では、重要なセキュリティの改善をより迅速にデバイスに適用するために、通常のソフトウェアアップデートとソフトウェアアップデートの間に自動的に適用

追記:iOS16.5.1(b)じゃないの?なぜiOS16.5.1(c)?について

バージョンがiOS16.5.1(c)となっていることから、ユーザーから「iOS16.5.1(b)ではないの?」「iOS16.5.1(b)はどうなったの?」といった声があります。

当初はiOS16.5.1(b)のリリースが予定されていたことは事実で、Appleサポート記事を確認すると「iOS16.5.1(b)およびiPadOS16.5.1(b)がまもなくリリースされます」と記載されています。

Apple では、この緊急セキュリティ対応を適用した結果、一部の Web サイトが正しく表示されなくなる場合があるという問題を認識しています。この問題に対処するため、緊急セキュリティ対応 iOS 16.5.1 (b) および iPadOS 16.5.1 (b) がまもなくリリースされます。

引用:iOS 16.5.1 および iPadOS 16.5.1 の緊急セキュリティ対応のセキュリティコンテンツについて

ですが、US版のサポート記事ではiOS16.5.1(b)に関する記述は削除されており、iOS16.5.1(c)で一部のウェブサイトが正しく表示されなくなる問題を修正したとのみ記載されています。

Rapid Security Responses iOS 16.5.1 (c) and iPadOS 16.5.1 (c) include the security content of Rapid Security Responses iOS 16.5.1 (a) and iPadOS 16.5.1 (a) and fix an issue that prevents some websites from displaying properly.

引用:About the security content of Rapid Security Responses for iOS 16.5.1 and iPadOS 16.5.1

iOS16.5.1(b)をスキップした理由については言及されていませんが、Appleサポート記事から関連する記述が削除されていることから、誤って(c)がリリースされたわけでは無く、技術的な理由による対応と予想されます。

iOS16.5.1(c)に手動でアップデートする

自動アップデートをオフにしている場合は、以下の手順でiOS16.5.1(c)に手動でアップデートすることができます。手順そのものは通常のiOSアップデートと同じです。

また、iOS16.5.1(c)アップデートを見送る場合は、次回以降のiOSアップデートを適用したタイミングで、iOS16.5.1(c)に含まれるセキュリティアップデートが適用されます。

  1. 設定を開く
  2. 一般をタップ
  3. ソフトウェアアップデートをタップ
  4. ダウンロードしてインストールをタップ

iOS16.5.1(c)からiOS16.5.1に戻す方法について

iOS16.5.1(c)は、セキュリティ対応アップデートとなっているため、設定アプリからアップデートそのものを削除し、iOS16.5.1に戻すことができます。

もしiOS16.5.1(c)で問題が発生した場合は、以下の手順でiOS16.5.1に戻すことを試してください。

  1. 設定を開く
  2. 一般をタップ
  3. 情報をタップ
  4. iOSバージョンをタップ
  5. 緊急セキュリティ対応を削除をタップ
  6. 削除をタップ
  7. パスコードを入力
  8. 「削除を準備中…」(数分程度)
  9. 今すぐ再起動をタップするか、一定時間経過すると自動で再起動が実行されます

iOS16.5.1(c)で発生・確認された不具合の情報

情報提供のお願いについて

iOS16.5.1(c)アップデートで不具合が発生した場合は詳細をコメント欄で共有して頂けると幸いです。なお、コメントは全て拝読していますが、不適切な言葉を含むコメントは取り下げ、伏せ字などで訂正し掲載する場合があります。コメント欄は承認制となっておりコメント欄に反映されるまで時間を要する場合があります。

iOS16.5.1(c)アップデート適用後、iOS16.5.1までに報告されている以下の問題が発生する可能性があります。

これらの中でも、システムサービスのソフトウェアアップデートにより、モバイル通信が大量に発生する問題は多くのユーザーから報告されているため、アップデート適用から数時間程度はWi-Fi接続を維持することをお勧めします。

  • システムサービスのソフトウェアアップデートにより、モバイル通信が発生する(対処:再起動を控える)
  • リンゴループが発生する(対処:ストレージの空き容量を整理する)
  • バッテリーの消耗が早くなる(対処:48時間以上待つ)
  • LINEなど一部アプリの通知がこない、開かないと通知がこない(対処:アプリの再インストール)
  • アップデート直後に画面が真っ黒、フリーズする(対処:iPhoneを強制再起動する)
  • ソフトウェアアップデート完了のメッセージが表示されたままフリーズする(対処:iPhoneを強制再起動する)
  • iPhoneがスリープになるとWi-Fiが切断される(対処:設定からWi-Fiの自動接続をオンにする)
  • エクスプレスカードでFace ID、パスワードを要求される(対処:エクスプレスカードの設定をオンにし直す)
  • モバイル通信の速度が低速、繋がらない(対処:SIMの再挿入、VPNのオフ、モバイルデータ通信をオンにし直す、iPhoneの再起動、ネットワーク設定のリセット)
  • 壁紙が真っ黒になる(対処:ロック画面とホーム画面の壁紙を再設定する、新しい壁紙を追加する)
  • 緊急速報が勝手にオンになる(対処:設定から緊急速報をオフにし直す)
  • 数日前のメールが消えた(対処:メールアカウントの受信設定、サーバーから削除を「しない」に変更する)
  • 勝手にアップデートされた(対処:自動アップデートをオフにする)
  • 「充電保留中 iPhoneが通常の温度に戻ると充電は再開されます」になる(対処:急速充電器、ワイヤレス充電器の使用を控え、通常の温度まで冷めたら、通常の充電器を使用する)
  • 通常の充電器(5V 1A)で充電できなくなった(対処:USB-C搭載の急速充電器、電源アダプタを試す)
  • 画面をタップしても反応しない(対処:iPhoenを強制再起動する)

著者情報

Ryo
こんにちは、「SBAPP」を運営しているRyoです。

Apple製品はiPhone 3GSから使い始め、国内でスマートフォンが急速に普及し始めた時期、iPhone 5が展開された頃から、主にiPhoneやiOSなどの使い方や不具合情報を10年以上にわたり発信しています。

現在はiPhoneやiOSの情報だけでは無く、SNSプラットフォームでの障害や不具合、フィッシング詐欺メール・SMSに関する注意喚起など、広範なテーマにわたる記事を書いています。

過去には「電気の見える化」に関するウェブアプリケーション開発、大規模システムの保守業務に従事していたことがあり、それらの経験を活かしてSBAPPを含むブログメディア等を運営しています。記事が少しでもお役に立てたら幸いです。

コメント欄

  • Comments ( 8 )
  • Trackbacks ( 0 )
  1. 本体が普段より熱くなる。

    • コメントを頂いてから1週間以上が経過しているため、すでに解消されているかもしれませんが、アップデート適用から48時間程度は熱くなる場合があります。

  2. mapのマイガイドが全て消えてしまいました。
    ios16.5.1に戻してみましたがマイガイドは戻らず。
    (a)の時も消えてしまい仕方ないので手動で全て登録し直したのに…!
    何百件もあったのでもう一度登録し直す気にもならずショックです。

    • コメントありがとうございます。おっしゃるように旧バージョンで発生していた問題がセキュリティ対応アップデートでも発生することがあるようです。現在も復元する方法が見つかっていないため、再度登録するしかなさそうです..

  3. iPad mini 5th gen. で touch ID が反応しなくなりました。

  4. blank
    By ミムロ タカエ

    iOS16.5.1(c)にアップデートしてから,
    ①本体の裏表がだいぶ熱くなり,アプリの呼び込みに時間がかかったり 着信がなかったりという不具合がありました。
    ②通話画面が表示されず終話ボタンを押すことができないという不具合もありました。
    ①②共に解決はまだできていないです。

    • コメントありがとうございます。本日iOS16.6がリリースされていますので、そちらのアップデートを適用することで改善しないかお試しください。

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