iOS13.4以降、Safariのプライバシー機能「サイト越えトラッキングを防ぐ」の影響により、一部のウェブサービスでログインできない、利用できないといった問題が報告されています。
目次
iOS13.4のSafariでログインできない等の問題
iOS13.4のSafari(バージョン13.1)以降、一部のウェブサービス(PSストア、PSN等)でサインインできない、サービスが利用できないといった問題が報告されています。
ドワンゴが提供する自作ゲーム投稿コミュニティサービス「RPGアツマール運営」でも同様の問題が生じていたようですが、こちらに関してはウェブサービス側の調整により対応したようです。
【対応完了】iOS 13.4 にアップデートしても、ゲームプレイできるようになりました。
ゲームプレイのために「サイト越えトラッキングを防ぐ」設定をオフにした場合は、元に戻していただければ幸いです。
まだ改善されないという場合は、ご連絡いただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 https://t.co/s3vZcv9Da7
— RPGアツマール運営 (@nico_indiesgame) 2020年3月31日
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「サイト超えトラッキングを防ぐ」をオフでエラーを回避
iOS13.4アップデート適用後、これまで利用していたウェブサービスで「ログインできない」「送信できない」「サービス自体が利用できない」などの問題が生じた場合、設定→Safari→サイト超えトラッキングを防ぐ)をオフにすることでエラーを回避できる場合があります。
iOS13.4でSafariのプライバシー機能が強化
Safariの設定に用意されたサイト超えトラッキングを防ぐは、iOS12.2でデフォルト設定がオンの状態で実装されたプライバシー機能(Intelligent Tracking Prevention)の一つです。
[iOS12.2リリースノートのSafari部分の抜粋]
ユーザ識別のためのフィンガープリントとして利用されるのを防ぐため、トラッキング停止要求(Do Not Truck)機能への対応を削除。インテリジェントトラッキング防止機能により、デフォルトでサイト越えのトラッキングを防止。
iOS13.4では、上記のサイト超えトラッキングを防ぐが機能拡張され、サードパーティー製のクッキーが完全にブロックされるようになりました。これにより、例外やサイト間のわずかな追跡もできなくなり、これまでよりもプライバシー性が向上していると、WebKitのブログで記事が公開されています。
Cookies for cross-site resources are now blocked by default across the board. This is a significant improvement for privacy since it removes any sense of exceptions or “a little bit of cross-site tracking is allowed.”
引用:WebKit
恐らくは上記変更の影響により、ログイン処理などにサードパーティークッキーを利用し、複数のドメイン間を遷移するウェブサービス※でログインできない等の問題が生じているものと思われます。
上記推察が正しければ、iOS13.4以降で利用できなくなったウェブサービスに関しては、利用ユーザーはウェブサービス側の対応を待つかITPをオフにするなどして対処する必要があります。
※ iOS13.4でエラーが表示されるPSストアの場合は、sonyentertainmentnetwork.com[ログイン画面] → playstation.com[PSストアトップ] の順にドメインを遷移します。
謝辞
当記事はコメント欄で寄せられたzappy333さんのコメントを参考に調査、執筆しました。コメントありがとうございました。
いつも有用な情報を掲載してくださりありがとうございます。
PSストアにサインインできない件について情報提供させて頂きます。
この現象はiOS/iPadOS 13.4からSafariの設定「サイト越えトラッキングを防ぐ」がデフォルトで有効になったことによる影響です。
この設定を手動でオフにすることで、SafariでPSストアにサインインできることを確認しました。
これは、PSストアのドメインが「playstation.com」であるのに対して、ログインサイトのドメインが「sonyentertainmentnetwork.com」であることによるものです。
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