iPhone向けにiOS18.1アップデートがリリースされました。iOS18.1ではiPhone 16向けにカメラコントロールで前面と背面カメラを切り替えできる機能、コントロールセンターにレイアウトをリセットできるオプションなどが追加されています。
目次
iOS18.1アップデート内容の詳細と変更点
2024年10月29日にリリースされたiOS18.1アップデートでは、iPhone 16向けのカメラコントロール機能が強化され、リアカメラとフロントカメラを切り替えできるようになりました。
ほかにも、通話開始後に通話を録音できる機能の追加、AirPodsのヒアリングチェック機能の追加、コントロールセンターのリセットオプションの追加、iPhone 16が再起動する不具合の修正などが行われています。
なお、今回のアップデートには、Apple Intelligenceに関する機能(ライティングツール、Siriの機能強化、通知の要約など)も含まれていますが、日本では2025年以降の対応が見込まれています。
iOS 18.1
1.68GBこのアップデートでは、カメラコントロールの機能、空間写真の撮影機能、通話の録音機能、およびiPhoneでのその他の機能が向上し、バグ修正、セキュリティアップデートも含まれます。
Appleソフトウェアアップデートのセキュリティコンテンツについては、以下のWebサイトをご覧ください:
https://support.apple.com/ja-jp/100100
電話
- 通話録音により、通話が録音中であるということがアナウンスされ、リアルタイムで電話またはFaceTimeオーディオ通話を録音できます
カメラ
- カメラコントロールで素早く前面のTrue Depthカメラに切り替えることができます(iPhone 16、iPhone 16 Plus、iPhone 16 Pro、iPhone 16 Pro Max)
- 新しい“空間”カメラモードで、空間写真を空間ビデオの撮影と共に撮影できます(iPhone 15 Pro、iPhone 15 Pro Max)
AirPods
- ヒアリングチェックを使用すると、科学的に検証されたヒアリングチェックの結果が自宅にいながら得ることができます(18歳以上のユーザが対象)
- ヒアリング補助機能では、周囲の音とミュージック、ムービー、および通話に自動的に適用される、パーソナライズされた臨床レベルの補助が提供されます(18歳以上の軽度から中等度難聴のユーザが対象)
- これらの機能には、ファームウェアバージョン7B19以降が適用されたAirPods Pro 2が必要です。一部の機能は国や地域によっては利用できないことがあります。詳しくは、以下のWebサイトをご覧ください: https://apple.com/jp/airpods-pro/feature-availability/
その他の改善とバグ修正
- コントロールセンターに、コネクティビティコントロールを個別に追加したり、構成をリセットしたりするための新しいオプションを追加しました
- RCSビジネスメッセージで、RCSで店舗や企業とチャットできます(通信事業者が対応している必要があります)
- ポッドキャストで未再生のエピソードが再生済みとしてマークされる問題を修正しました
- デバイスが発熱しているときに4K 60で収録されたビデオについて、“写真”でのビデオ再生のスクラブ中に動きがぎこちなくなることがある問題を修正しました
- バックアップから復元したり別のiPhoneから直接転送したりしたあとに、車のデジタルキーでパッシブエントリーを使用して車を解錠したりエンジンを始動したりできないことがある問題を修正しました
- iPhone 16またはiPhone 16 Proのモデルで予期せず再起動されることがある問題を修正しました
iOS18.1のセキュリティアップデートについて
iOS18.1ではCVE-ID基準で28件のセキュリティアップデート(About the security content of iOS 18.1 and iPadOS 18.1)が行われています。
Safariのプライベートブラウジングで閲覧履歴が漏洩する可能性、Spotlightでロック画面から制限されたコンテンツを閲覧できる可能性、悪意のあるアプリが任意のショートカットを実行できる可能性などが対処されています。
いずれも対象機種は「iPhone XS 以降、iPad Pro 13 インチ、iPad Pro 12.9 インチ 第 3 世代以降、iPad Pro 11 インチ 第 1 世代以降、iPad Air 第 3 世代以降、iPad 第 7 世代以降、iPad mini 第 5 世代以降」となっています。
Safari Private Browsing
Available for: iPhone XS and later, iPad Pro 13-inch, iPad Pro 12.9-inch 3rd generation and later, iPad Pro 11-inch 1st generation and later, iPad Air 3rd generation and later, iPad 7th generation and later, and iPad mini 5th generation and later
Impact: Private browsing may leak some browsing history
Description: An information leakage was addressed with additional validation.
CVE-2024-44229: Lucas Di Tomase
(訳) Safari プライベートブラウジング
対応機種:iPhone XS以降、iPad Pro 13インチ、iPad Pro 12.9インチ 第3世代以降、iPad Pro 11インチ 第1世代以降、iPad Air 第3世代以降、iPad 第7世代以降、iPad mini 第5世代以降
影響:プライベートブラウジングで一部の閲覧履歴が流出する可能性がある
説明:検証を追加することで、情報漏えいに対応しました。
CVE-2024-44229: Lucas Di Tomase
App Support
Available for: iPhone XS and later, iPad Pro 13-inch, iPad Pro 12.9-inch 3rd generation and later, iPad Pro 11-inch 1st generation and later, iPad Air 3rd generation and later, iPad 7th generation and later, and iPad mini 5th generation and later
Impact: A malicious app may be able to run arbitrary shortcuts without user consent
Description: A path handling issue was addressed with improved logic.
CVE-2024-44255: an anonymous researcher
(訳) アプリサポート
対応機種:iPhone XS以降、iPad Pro 13インチ、iPad Pro 12.9インチ 第3世代以降、iPad Pro 11インチ 第1世代以降、iPad Air 第3世代以降、iPad 第7世代以降、iPad mini 第5世代以降
影響:悪意のあるアプリがユーザーの同意なしに任意のショートカットを実行できる可能性がある。
説明:ロジックの改善により、パスの処理に問題がありました。
CVE-2024-44207: Michael Jimenez および匿名の研究者
iOS18.1までに発生・確認された不具合の情報
iOS18.1アップデートで不具合が発生した場合は、コメント欄にて詳細を共有して頂けると幸いです。なお、コメントは全て確認していますが、不適切な言葉などを含むコメントは非承認、訂正する場合があります。
検証機ではiOS18.1アップデートを完了していますが、記事公開時点では特筆が必要な問題(リンゴループ、圏外など)は発生していません。
iOS18.1に限らず、iOSアップデート直後にリカバリーモードに切り替わることなどもあるため、アップデートを実行する場合は、必ずバックアップを作成するようにしてください。
※ 以下の表は前回のアップデートまでに報告されている不具合の一覧です。コミュニティやコメント欄で"複数のユーザー"から報告されている情報のみ記載しています。
問題 | 対処 |
---|---|
画面が暗転して「読み込み中」になり、ロック画面に遷移する(クラッシュ) | マルチタスク画面、Appスイッチャでバックグラウンドアプリを終了する |
一部アプリでApple Lightning Digital AVアダプタによるHDMI出力ができない | アプリやアダプタ、iOSアップデートによる改善を待つ |
VPNが繋がらない | ・iPhoneの再起動 ・VPNのスイッチをオンオフする ・VPNアプリを最新バージョンにアップデートする |
文字を入力して変換すると入力した文字が消える | iPhoneの再起動 |
ゴミ箱のメールが期日を迎えても削除されない | ・iPhoneの再起動 ・メールアカウントの削除と再追加(POPは受信メールが消えるので注意) |
一部受信メールが文字化けする | ・iPhoneの再起動 ・可能であればWebメールの代用 |
位置情報をオンにしているにも関わらず、Siriで電話を発信すると位置情報をオンにするよう言われる | iPhoneの再起動 |
Siriで連絡先を指定して電話を発信すると、誤った相手に発信する | 連絡先アプリで適当な連絡先を更新する(名前を変更して元に戻すなど) |
予測変換の精度が低下した | ・小さい「つ」を含む文を変換した際、変換候補の文字に「t」が挟まる場合は、入力中の文字を消して再入力する ・iOSアップデートで変換精度の向上を待つ |
ファイルアプリで.mp3などの音声ファイルを再生すると問題が生じる | ファイルアプリの不具合と見られますが、現時点では解決策が不明。拡張子に対応したサードパーティーアプリを代用。 |
電源オフ中にスクリーンタイムが加算される | 電源オフ前にマルチタスク(Appスイッチャー)でアプリを完全に終了する |
カメラアプリが落ちる、真っ黒になる | iPhoneの再起動 |
アクセスガイドの起動や終了が遅い | 代替としてコントロールセンターから起動する |
アクセスガイド中に背面タップ、スクショできない | 対策無し |
Safariが真っ黒になる | Safariを再起動する |
Amazonなど一部アプリで濁点、半濁点、小文字が入力できない | ・アプリの再インストール ・ワイヤレスデバイスの登録解除 |
Face IDが使えなくなった | ・iPhoneの強制再起動 ・スクリーンタイム(コンテンツとプライバシーの制限)のオフ ・設定のFace IDとパスコードで「Face IDとプライバシーについて」を開き下までスクロールする |
コントロールセンターでウォッチを呼び出すが押せない | ・iPhoneの再起動 ・コントロールセンターからウォッチを呼び出すを削除、再度追加する |
Apple Musicが落ちる、フリーズする | ・iPhoneの再起動 ・ミュージックアプリの再起動 ・ミュージック(Apple Music)の再インストール ・すべての設定をリセット |
iOS18.1でバッテリーの減りが早い・消費が早い場合
iOS18.1アップデート後、処理の影響で最大48時間程度はバッテリーの減りが早くなったり、アップデート以前よりもデバイスが熱を帯びる可能性があります。
実際、筆者の端末でもiOS17からiOS18にアップデートした際、特にバッテリーが消耗が激しくなりました。もしiOS17.XからiOS18.1にアップデートする場合などは、より顕著に症状がでる懸念があります。
もし数日経過してもバッテリーの減りが早い場合は、今後のアップデートでバッテリーパフォーマンスが改善されるのを待つか、以下の設定や使い方を見直すようにしてください。
記載している全ての設定の変更を推奨するものでは無いので、ご自身の使い方と照らし合わせて、支障がない項目のみ試すようにしてください。
バッテリーの減りを抑える設定と使い方
- Wi-Fiを使用しない場合はオフにする(設定→Wi-Fi)
- Bluetoothを使用しない場合はオフにする(設定→Bluetooth)
- インターネット共有(テザリング)を使用しない場合はオフにする(設定→モバイル通信→インターネット共有)
- モバイル通信が繋がらない、圏外になる環境では機内モードをオンにする
- アプリの位置情報を必要最低限のみ許可する(設定→プライバシーとセキュリティ→位置情報サービス)※ 位置情報を常時必要とするアプリ、ナビや緊急速報等はオフにしないでください。
- iPhoneの自動ロック(設定→画面表示と明るさ→自動ロック)を短くする
- 画面の明るさを自動にする(設定→アクセシビリティ→画面表示とテキストサイズ→明るさの自動調節)
- 不要なアプリのバックグラウンド更新をオフにする(設定→一般→アプリのバックグラウンド更新)
- インストール済みアプリを最新バージョンにアップデートする
- ホーム画面やロック画面に配置するウィジェットを最低限まで減らす
- マルチタスク画面(Appスイッチャー)でアプリを頻繁に終了しない
- 外観モードをダークに変更する(設定→画面表示と明るさ→ダーク)
※ バッテリーの最大容量(設定→バッテリー→バッテリーの状態と充電)を確認し、バッテリーの最大容量が80%未満になっている場合はバッテリー交換を検討してください。
※ Wi-Fiのオフ、Bluetoothのオフによるバッテリー節約効果は少ないです。快適性を重視するのであればオンのままにすることをお勧めします。
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