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【格安SIM】格安スマホの速度差別問題で誤解が広がっているので補足

日本経済新聞の記事「格安スマホ(格安SIM)の速度差別を禁止する」が話題になっていますが、一部で「大手キャリアのSIMと格安SIMの通信速度の差が無くなる」といった誤解が広がっているので、この件について補足します。

「通信速度優遇による格安SIM同士の速度の差」を指摘したもの

まず初めに「大手キャリアのSIMと格安SIMの通信速度の差が無くなる」は誤りで、正しくは「大手キャリア系列の格安SIMの速度優遇を禁止して、その他の格安SIMと公平な競争環境を確保する」が今回報じられた記事の本題です。

なので「格安SIMが大手キャリアのSIMと同じ通信速度になる」訳ではありません。以下詳細。

 総務省は大手携帯電話会社が回線を提供する格安スマートフォンの通信速度を遅くするなどの「差別」を禁じる。10月にも関係省令を改正する。格安携帯事業者(総合2面きょうのことば)の間では大手が系列ブランドやグループ会社の速度を優遇しているのではないかとの疑念が根強い。公平な競争環境を確保し、消費者が不利益を被らないようにする。

引用:日本経済新聞

上記引用文の冒頭(赤線部)が独り歩きしている感が否めませんが、後半(青線部)まで読むと、格安SIMに回線を提供している大手キャリアが、自社系列の格安SIMの通信速度を優遇し、その他の格安SIMと通信速度の差が生じていることが問題」であり、大手キャリアのSIMと格安SIMの通信速度の差を指摘したものでは無いことがわかります。

例を挙げると、以下のような自社ブランドの格安SIMの回線速度の優遇を禁止するといったことが総務省の見解のようです。(以下はあくまで例であり、事実に基づいた内容ではありません)

  • ソフトバンクグループの格安SIM「ワイモバイル」と、ソフトバンク回線を借りている格安SIM会社(LINEモバイルなど)間で、回線を貸しているソフトバンクがワイモバイルの回線速度を優遇する。
  • KDDIグループの格安SIM「UQモバイル」と、KDDI回線を借りている格安SIM会社(mineoなど)間で、回線を貸しているKDDIがUQモバイルの回線速度を優遇する。

日本経済新聞によると、KDDIは回線速度の優遇措置について否定しているようですが、総務省は差別禁止を明確に定めて疑念や不信を払拭する必要があると判断し、今回の見解を示したとのこと。

今後「同じ回線の格安SIM同士の通信速度の差」は今よりフラットになるかもしれませんが、「大手キャリアと格安SIMの通信速度の差」がフラットになることはまず無いと思います。

著者情報

Ryo
こんにちは、「SBAPP」を運営しているRyoです。

Apple製品はiPhone 3GSから使い始め、国内でスマートフォンが急速に普及し始めた時期、iPhone 5が展開された頃から、主にiPhoneやiOSなどの使い方や不具合情報を10年以上にわたり発信しています。

現在はiPhoneやiOSの情報だけでは無く、SNSプラットフォームでの障害や不具合、フィッシング詐欺メール・SMSに関する注意喚起など、広範なテーマにわたる記事を書いています。

過去には「電気の見える化」に関するウェブアプリケーション開発、大規模システムの保守業務に従事していたことがあり、それらの経験を活かしてSBAPPを含むブログメディア等を運営しています。記事が少しでもお役に立てたら幸いです。

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