2020年4月16日、AppleがiPhone 11にも搭載されているプロセッサ(A13 Bionicチップ)を採用した新型iPhone「iPhone SE(第2世代)」を発表し、2020年4月17日午後9時より予約受け付けを開始します。
目次
iPhone SE(第1世代)やiPhone 8の後継機種となるiPhone SE(第2世代)
Appleが発表したiPhone SE(第2世代)は、位置付けとしてはiPhone SE(第1世代)の後継機種となるものの、実質はiPhone 8の後継機種となる”iPhone 9″のような位置付けにもなる新型iPhoneです。
iPhone SE(第2世代)はiPhone 8の外観やサイズ感を継承した外観や設計になっているものの、プロセッサにはiPhone 11にも搭載されているA13 Bionicチップが搭載されているほか、予備電力機能付きエクスプレスカードなどにも対応するなど、iPhone SE(第1世代)やiPhone 8から正当な進化を遂げながらも、価格は44,800円(税別)からと5万円を下回る価格が魅力です。
- 画面サイズは4.7インチ(iPhone 8と同等)
- 第3世代のNeural Engine搭載A13 Bionicチップを搭載(iPhone 11と同等)
- ストレージ容量に256GBモデルが追加
- ポートレートモードに対応
- 6つのエフェクトを備えたポートレートライティングに対応
- ビデオ撮影方法としてQuickTakeビデオ、ステレオ録音に対応
- ワイヤレス通信方式がギガビット級LTEにアップグレード
- エクスプレスカードが予備電力機能付きエクスプレスカードにアップグレード
- Touch IDが引き続き採用
- デュアルSIM(nano-SIMとeSIM)に対応
カラーは3種類、ストレージ容量は256GBモデルが追加
カラーはブラック、レッド、ホワイトの3種類、ストレージ容量は64GB〜最大256GBの3モデルが用意されており、基本的な外観デザインはiPhone 8を継承しています。
ただし、一部はiPhone 11にあわせたデザインに変更されており、Appleのロゴの位置が中央寄り、ディスプレイのベゼルの色は黒色に統一されています。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
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カラー | ブラック PRODUCT RED(レッド) ホワイト |
シルバー スペースグレイ ゴールド |
容量 | 64GB 128GB 256GB |
64GB 128GB |
搭載チップ性能はiPhone 11相当、サイズや重量はiPhone 8と同じ
iPhone SE(第2世代)には、iPhone 11/11 Pro/11 Pro Maxにも搭載されているA13 Bionicチップ、および第3世代のNeural Engineが搭載されており、処理能力が大幅に向上しています。
サイズや重量感、防水防沫性能はiPhone 8と同等なので、iPhone 8ユーザーであれば同じ持ち心地で自然に使い始めることができるかと思いますが、iPhone SE(第1世代)から機種変更する場合は、本体サイズが若干大きくなり重量が約35g重たくなるので、慣れるまではズッシリと重量感を感じるかもしれません。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
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チップ | A13 Bionicチップ 第3世代のNeural Engine |
A11 Bionicチップ Neural Engine |
サイズと重量 | 高さ:138.4mm 幅:67.3 mm 厚さ:7.3 mm 重量:148 g |
高さ:138.4mm 幅:67.3 mm 厚さ:7.3 mm 重量:148 g |
防沫性能、耐水性能、防塵性能 | IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間) | IEC規格60529にもとづくIP67等級(最大水深1メートルで最大30分間) |
ディスプレイ性能はiPhone 8同等、3D Touchが触覚タッチに変更
ディスプレイサイズや解像度など、基本的な画面性能はiPhone 8と同等です。唯一の変更点として、画面を押し込む操作の方式が3D Touchから触覚タッチ(Haptic Touch)に変更されています。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
---|---|---|
ディスプレイ | Retina HDディスプレイ IPSテクノロジー搭載4.7インチ(対角)ワイドスクリーンLCD Multi‑Touchディスプレイ 1,334 x 750ピクセル解像度、326ppi 1,400:1コントラスト比(標準) True Toneディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) 触覚タッチ 最大輝度625ニト(標準) |
Retina HDディスプレイ IPSテクノロジー搭載4.7インチ(対角)ワイドスクリーンLCD Multi‑Touchディスプレイ 1,334 x 750ピクセル解像度、326ppi 1,400:1コントラスト比(標準) True Toneディスプレイ 広色域ディスプレイ(P3) 3D Touch 最大輝度625ニト(標準) |
カメラ性能はiPhone 8と同等、機能としてポートレートモードが追加
カメラの性能はiPhone 8と概ね同じですが、iPhone SE(第2世代)では次世代のスマートHDRに対応し、よりクオリティの高い写真を撮影できます。
また、カメラの機能として深度コントロールに対応したポートレートモード、6つのライティングを擬似的に再現するポートレートライティング撮影にも対応しており、iPhone 8やiPhone SE(第1世代)から機種変更する場合だと、写真撮影の幅が豊かになるかと思います。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
---|---|---|
カメラ性能 | シングル12MPカメラ(広角) 広角:ƒ/1.8絞り値 光学式手ぶれ補正 最大5倍のデジタルズーム True Toneフラッシュとスローシンクロ 次世代のスマートHDR(写真) |
シングル12MPカメラ(広角) 広角:ƒ/1.8絞り値 光学式手ぶれ補正 最大5倍のデジタルズーム True Toneフラッシュとスローシンクロ 写真の自動HDR |
カメラ機能 | 進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
6つのエフェクトを備えたポートレートライティング(自然光、スタジオ照明、輪郭強調照明、ステージ照明、ステージ照明(モノ)、ハイキー照明(モノ)) |
― |
ビデオ撮影はステレオ録音やQuickTakeビデオに対応
ビデオ撮影時の性能もiPhone SE(第1世代)やiPhone 8と比べて向上しており、iPhone SE(第2世代)ではステレオ録音に対応したほか、カメラアプリでシャッターボタンを長押しするだけでビデオ撮影を開始できるQuickTakeビデオにも対応しています。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
---|---|---|
ビデオ撮影 | 4Kビデオ撮影(24fps、30fpsまたは60fps) 1080p HDビデオ撮影(30fpsまたは60fps) ビデオの拡張ダイナミックレンジ(最大30fps) ビデオの光学式手ぶれ補正 最大3倍のデジタルズーム QuickTakeビデオ 1080p(120fpsまたは240fps)スローモーションビデオに対応 手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ ステレオ録音 |
4Kビデオ撮影(24fps、30fpsまたは60fps) 1080p HDビデオ撮影(30fpsまたは60fps) ― ビデオの光学式手ぶれ補正 最大3倍のデジタルズーム ― 1080p(120fpsまたは240fps)スローモーションビデオに対応 手ぶれ補正機能を使ったタイムラプスビデオ ― |
ポートレート撮影に対応したフロントカメラ
フロントカメラの画素数やf値はiPhone 8と同等ですが、iPhone SE(第2世代)ではポートレートモードやポートレートライティングを使った撮影に対応しています。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
---|---|---|
フロントカメラ性能 | FaceTime HDカメラ 7MPの写真 ƒ/2.2絞り値 Retina Flash 写真の自動HDR 1080p HDビデオ撮影(30fps) |
FaceTime HDカメラ 7MPの写真 ƒ/2.2絞り値 Retina Flash 写真の自動HDR 1080p HDビデオ撮影(30fps) |
フロントカメラ機能 | 進化したボケ効果と深度コントロールが使えるポートレートモード
6つのエフェクトを備えたポートレートライティング(自然光、スタジオ照明、輪郭強調照明、ステージ照明、ステージ照明(モノ)、ハイキー照明(モノ)) |
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ギガビット級LTE、予備電力機能付きエクスプレスカードにアップグレード
通信方式は「4G LTE-Advanced」から「ギガビット級LTE」にアップグレードされ、予備電力機能付きエクスプレスカードに対応しました。
予備電力機能付きエクスプレスカードに対応したことで、iPhoneの充電が必要じな状態になっても最大5時間まで予備電力を使用してエクスプレスカードを使うことができます。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
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通信方式 | GSM/EDGE UMTS/HSPA+ DC-HSDPA CDMA EV-DO Rev. A(一部のモデル) ギガビット級LTE MIMO対応802.11ax Wi Fi 6 Bluetooth 5.0内蔵 GPS/GNSS VoLTE6 リーダーモード対応NFC 予備電力機能付きエクスプレスカード FeliCa |
GSM/EDGE UMTS/HSPA+ DC-HSDPA CDMA EV-DO Rev. A(一部のモデル) 4G LTE-Advanced MIMO対応802.11ax Wi Fi 6 Bluetooth 5.0内蔵 GPS/GNSS VoLTE6 リーダーモード対応NFC エクスプレスカード FeliCa |
Touch ID(指紋認証)が採用されApple Payも快適に
Apple PayはiPhone 8と同じく店頭、アプリ内、ウェブ上で利用することができ、Suicaを使った公共交通機関の利用も可能です。
またセキュア認証も引き続きTouch IDが採用されており、iPhone 11と同等の処理能力を持つiPhoneをTouch ID(指紋認証)で使うことができます。
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
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セキュア認証 | Touch ID ホームボタンに内蔵された第2世代の指紋認証センサー |
Touch ID ホームボタンに内蔵された第2世代の指紋認証センサー |
Apple Pay | Touch IDを使った、店頭、アプリ内、ウェブ上でのiPhoneによる支払い iPhoneに入れたSuicaによる電車などの交通機関の利用、店頭での購入 |
Touch IDを使った、店頭、アプリ内、ウェブ上でのiPhoneによる支払い iPhoneに入れたSuicaによる電車などの交通機関の利用、店頭での購入 |
バッテリー性能はiPhone 8やiPhone 7と同等
内蔵バッテリーはiPhone 8やPhone 7と同等の性能になるので、iPhone 11と比較してしまうと力不足感が否めません。(ビデオ再生で4時間、オーディオ再生で25時間の差)
モデル | iPhone SE(第2世代) | iPhone 8 |
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電源とバッテリー | iPhone 8とほぼ同じバッテリー駆動時間 リチャージャブルリチウムイオンバッテリー内蔵 ワイヤレス充電 USB経由でコンピュータまたは電源アダプタを使って充電 ビデオ再生:最大13時間 ビデオ再生(ストリーミング):最大8時間 オーディオ再生:最大40時間 高速充電に対応:30分で最大50%充電(別売りの18W以上のアダプタを使用) |
iPhone 7とほぼ同じバッテリー駆動時間 リチャージャブルリチウムイオンバッテリー内蔵 ワイヤレス充電 USB経由でコンピュータまたは電源アダプタを使って充電 ビデオ再生:最大13時間 ― オーディオ再生:最大40時間 高速充電に対応:30分で最大50%充電(別売りの18W以上のアダプタを使用) |
価格は44,800円(税別)からと安価な設定に
価格は64GBモデルで44,800円(税別)、128GBモデルで49,800円(税別)、256GBモデルで60,800円(税別)となっています。
iPhone 8の発売当時の価格(256GBで95,800円)やApple Storeの最終値(64GBで5,2800円)と比べても安価な価格設定です。
ストレージ容量 | 価格(税別) |
---|---|
64GB | 44,800円 |
128GB | 49,800円 |
256GB | 60,800円 |
iPhone 11同等のプロセッサ搭載機種が5万円以下で
iPhone SE(第1世代)から機種変更する場合であれば、プロセッサ、カメラ性能と機能、ビデオ撮影、通信方式、Apple Pay、オーディオ再生(ステレオ)、ビデオ撮影(Dolby VisionとHDR10)、デュアルSIM対応など、様々な面で大幅なアップグレードの恩恵を受けることができます。
とくにApple Pay店頭利用、Suica対応は影響が大きく、キャッシュレス決済を利用する方であれば日常生活も含めて快適になるかと思います。
一方でiPhone 8からの機種変更を検討する場合は、プロセッサ、カメラ機能(ポートレート撮影、ポートレートライティング)、通信方式などのアップグレードにとどまるので、お使いのiPhone 8で処理能力に不足感を感じていないのであれば無理に機種変更しないで、今秋にも発売される可能性がある新型iPhoneを待つほうが良いと思います。
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