iOS 11では、AR(仮想現実)アプリの開発が容易になるフレームワーク「ARKit」の提供が開始され、今年末〜来年にはARKit製の様々なARアプリがApp Storeに登場する見込みです。
WWDC2017でも大きな注目を浴びたARKitですが、ARKitで作られた様々なデモ動画を掲載したウェブページMade With ARKitが公開され、早速複数のデモ動画が掲載されています。
公開されたデモ動画の中でも、特に気になった幾つかの動画を今回はご紹介します。まだ「ARKit」と言われてもピンと来ない方も多いかもしれませんが、動画を見ればきっとARKitの凄さがわかるはず。
現実の玩具で遊んでいるかのようなTic-Tac-Toe
目の前で実際に玩具を動かしているかのような、Tic-Tac-Toe(○×ゲーム)で遊んでいるデモ。
映像をよく見ると、光の当たり方による反射、オブジェクトを動かした時の影もリアルに再現されていることがわかります。応用すれば現実のフィールドを大胆に使った、ARチェスゲームなんてのもできそうです。
ハリーポッター賢者の石で登場した、魔法のチェスシーン※のようなゲームも登場しそう。
※ 「どんなシーンだっけ?」なんて場合は、Googleで「ハリーポッター チェスシーン」で検索すると、画像が大量に見つかります。
現実世界に異世界への扉(ポータル)が現れる「Inter-dimensional Portal」
現実の目の前に異世界への扉(ポータル)が現れ、実際に通り抜けたりするデモ。
人通りのある町並みに森林への扉が現れ、作者が実際に扉の向こう側に行ったり、現実世界に戻ってきたりしています。
扉を行き来するだけでも十分凄い気がしますが、角度を付けて扉を覗き込んだ時に、扉の向こう側の景色も変化しており「本当に目の前にどこでもドアがあるんじゃないか」と思えるぐらいリアルです。
リビングで優雅に踊るロボットが見れる「A robot dancing in my Living Room」
リビングルームに、優雅で滑らかに踊っているロボットが現れるデモ。
この作品はARKitとUnityで作られており、ロボットの質感や影のクオリティが非常に高いです。
ロボットの背後にあるライト(光源)と影の位置関係であったり、影が伸び縮み具合が本当にリアルに再現できています。
ゲームとして面白い作品を作ることもできそうですが、これだけ滑らかに動かすことが出来るのであれば、ダンスやポーツなどの動きをARで学習するようなアプリにも応用できそうです。
空間に直接3Dのペイントをする「Drawing in 3d」
目の前の空間でペンを走らせ、空中に文字を描くペイントデモ。
デモとしては非常にシンプルですが、画面越しにAR空間を眺めるだけでは無く、擬似的に触れることも出来るということに。
現実世界がMineCraftの世界になる「Augmented Reality MINECRAFT」
現実世界が人気箱庭ゲーム「MineCraft」のような箱庭世界になるデモ。
現実世界でAR空間に作られた洞窟を潜ったり、目の前にブロックを配置してピッケルで壊したりと、AR空間でMineCraftさながらのプレイをしています。
動画の中盤あたりでは光源となる松明(たいまつ)も登場し、松明によって周囲のブロックに影の陰影も出来ています。
「ARKit」を活用したアプリの登場が待ち遠しい
今回紹介した動画は、いずれもARKitを試したデモ動画に過ぎず、実際にARKitを使った本格的な開発が行われれば、さらにブラッシュアップされたグラフィック、リアリティのあるARアプリが登場することになりそうです。
2016年には位置情報とAR要素を掛け合わせた「ポケモンGO」が登場し、空前の大ブームになりましたが、今年〜来年はポケモンGO以上のARアプリが登場するかもしれません。
もちろんゲームだけでは無く、スポーツの動きやフォームを学べる学習アプリ、AR空間に家具や雑貨を擬似的に配置できるシミュレーター、卓上でキャラクターが動き物語が進むアニメーションアプリなども登場しそうです。
なおARKitで作られたアプリはiOS 11で動作しますが、ARKit対応機種とiOS 11対応機種はそれぞれ異なるので、ARアプリに興味があるのであれば、事前にARKit対応機種を確認しておくことをおすすめします。
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